遠い昔の記憶 思い出#1

 

買い物帰りの道すがら、

ぼんやりと頭に浮かぶ遠い昔の記憶が

フラッシュバックした

 

あれはたぶん小学3,4年生頃

学校が終わって一度帰宅してから

待ち合わせをして友達と遊んだ日

 

私の住んでいる家から程近くに

使用されていない焼却炉があった

そこで二人は、座り込み話をしていた

 

大声で笑ったり、誰かの悪口とか

愚痴の言い合いとか、ではなくて

ただ、のんびりとまったりとしていた

 

その時、私の心の中では

「家に帰りたくないな、このままここにずっといたい」

とつぶやいていた

 

とても生暖かくて優しい風が吹いていたことを

今でもよく覚えている

 

とその次の瞬間、

「あら、ここにいたのー何してるの???お母さんが心配してるわよ!」

 

それもそのはず、あたりは真っ暗

時計など持ち歩く時代ではなかったので定かではないが

夜7時は過ぎていたと思う

 

家では、子供が帰ってこないと

母が警察、近所に相談していたのだろう

 

あえなく私たちは、近所の伯母さんに連行され

ひとまず私の家に帰った

 

しばらくすると、友達のお母さんが弟君を連れて迎えに来た

とても形相がこわばっていた

多分、怒っていたと思う

「きっと、家に帰ったらこてんぱんに怒られるのだろう」

子供ながらに責任を感じていた

 

一方、私の家では

母が「警察の人から怒らないようにと言われているから…」

と言いながらもやんわりとお説教をされた

お説教内容は、まったく覚えていないが

 

 

 

普段は、どんなに楽しく遊んでいて

まだ遊びたいと思っていても

帰りのチャイムが鳴ったら必ず家に帰って来たはずなのに

 

帰りのチャイムが聞こえなかったのか

聞こえていてあえてスルーしたのか

この日だけは、違っていた

 

この場所、この瞬間がとても居心地が良かった

 

親が心配して、探し回っていること

家に帰って母親にお説教されていた時に

ようやく気づかされた

 

買い物帰りの道すがら

ふわっと湧き出てきた

遠い昔の記憶