お昼ご飯食べながら

 

 

電車に乗っている時で退屈になることがある

 

2駅や3駅で降りるとか、

初めて乗る路線で

乗り換えが分かりにくかったらどうしよう

とか考えることがある時は退屈にはならないけれど

 

毎日、同じ時間の同じ電車に乗って

いつもと変わらない場所への往復

 

そういう単調な日々での車内では

色々な事が思い浮かぶ

最近よくあるのが、昔の記憶が

フラッシュバックすること

 

幼い頃、親に連れられて行った場所の光景とか

何度も同じ場所の夢を見ていたことがあったけど

最近はすっかり夢に見ることがなくなってきた

あの風景が頭にふと浮かびあがったり

 

この間、急に思い出したことがあった

夢の話ではなく、リアルな話で

 

両親には兄弟が多く、近くに住んでいることもあり

学校が休みの日には、母に連れられて

親戚の伯母さんの家によく遊びに行っていた。

母に連れられていたので母方の親戚に行くことが多かった

 

「今日は、阿佐ヶ谷の家行くよー」とか「田端の家行くよー」

とか苗字では呼ばずに住んでいる最寄りの駅名で

呼んでいたから本名がよくわからなかった

 

多分、お昼過ぎくらいに家を出て

途中、菓子折りを買ったりしながら

今のように携帯電話がなかったので

必ず一度は公衆電話から電話をする

あと何分で着くとか、少し遅れるとか

 

そうこうしてやっとお宅へ到着する

 

母達は、普段の溜まったストレスを発散するかのように

怒り口調の時もあれば笑い声の時もあり

大声で喋っていたかと思えば

急に小声でコソコソ喋りだしたり

まあ、とにかく

途切れることなくよく喋りあっていた

それはそれは楽しそうに

 

退屈な子供としては

お茶を飲んだり勧められたお菓子を食べたりして

家中を散策したりして過ごしていた

 

そうこうすると

伯母さんが立ち上がり

「ご飯食べていくでしょ~」と言いながら

夕食の支度を始める

 

その日は、ちらし寿司だという

具材は事前に味付けをしておいたから

混ぜるだけだという

 

大きな寿司桶を持ってきて白いご飯をどっさり入れると

お酢、砂糖、塩を混ぜた三杯酢を出際よく

白いご飯にかけて混ぜ始める

 

しゃもじで下から持ち上げて切るようにサクサクと

盾に切っていくのよー

その時にうちわで仰ぐとツヤが出るわよ!と言う

だけど、伯母の手では足りないので…と

母がうちわを借りてパタパタ仰ぎ始める

 

こうした作業の間も二人の口は塞がらない

ずっと話している

 

おそらくだけど

喋りに夢中になっているから

もう、混ぜすぎでしょ!と言いたいけど言えない子供

 

私自身が男兄弟しかいないので

姉妹というのがとても羨ましかった

 

お互い育児や家事に追われているし

近くに住んでいるとはいっても

そんなに頻繁に会えるほどの距離でもない

 

だから、たまに会えた時には

聞いてもらいたいこと、話したいことが

山ほどあって

連れてきた子供のことなんてかまってられないわ

という感じだったのだろう

 

それなら、なぜ

毎回、色々な親戚の家に連れていくのか

と子供ながらに思っていた

 

 

 

 

 

ふと頭に浮かんだ記憶を思い出しながらのひとり

お昼ご飯🍚